写真資料にる 枢軸礼讃 の記録   はじめに..












SS隊員の笑
顔と少女の
睨んでいる
表情....
どちらが人
民の素直な
感情か明白
だろう。







 ◆ 我々は免疫を得られたか? ◆


 我々は得られる情報によって物事を考え、そして判断する。 その情報が限られたもであったり、偏ったものであろうとも 信じて疑わないばかりか、勝手な思いこみばかりが先行して 都合の良い未来を夢想することすらある。
 後になって多くの情報が公開されて、なおかつ自ら冷静な 判断ができるようになった時には既に遅いか、後悔の真っ只 中で虚脱状態になってるだろう。

かつて枢軸国は各々の都合と思惑で結んだ同盟によって墓穴 を掘り、崩壊していった... 枢軸、俗に云う「悪の枢軸」 そのものである。
多くの日本人はファシスト党率いるイタリアを、ナチス党の 支配するドイツを進んでいる国と信じていた。
厳しい国際情勢から目をそむけてその偉大さ..とやらを冷静 に判断せずに礼賛し、他の比較すべき国の実力を軽視した。 ナチスの犯罪の多くは戦後に公にされ一般の日本人が知った ものが多いが、戦前からナチス政府の行いに疑問を持つ日本 人は確かに存在した。しかし、疑問点をはっきりさせようとし た者はどのくらいいただろうか?
ユダヤ人迫害をその目で見た人が人道的にはおかしいと述べ ながらも、ドイツ国内の特殊事情を考えるべき..と続けて言った ことを我々はアホかと笑えるだろうか? 我々は立派な歴史認 識を持っていて、過去の失敗を教訓としているのだろうか?


 島国日本の他所様礼賛系の独善的知識人の悪い癖は根深い。朝鮮よ攻めてき ておれと頼んだ儒者。ヨーロッパを社会保障の充実した楽土と 勘違いした司馬江漢。日英同盟の頃には学校で英国国家も歌いましょう〜  ソビエトが出来ると革命赤化で社会問題はみんなまとめて解決だあ〜って御方もい たという..
そして最後にはどうしようもなくなり、見よ備えあり無敵の日本・巻き起こせ一億の神風と叫んだ....みじめすぎる。

 戦後でも、他所様を礼賛するのが好きな者はインチキ製鉄や インチキ農業大増産に感動したものである。
特に彼らは罪なき人々への侵略や圧迫、専制と隷従に目をつむった。 国家は人ではない。「良い国らしい。良い国なのだ!」とか、 「あいつは悪い奴だ、やること為すこと悪いことばかり」とい う感情は排除して冷静に分析するべきものなのに、戦後の日本 でも好きな国のすることは礼賛して、嫌いな国の為す事は味噌 も糞も許さない! という風潮が蔓延していた..今もしている。
著作権の都合上写真は掲出しないがスターリソは子ども好きなやさしいおじさんとか、 北は楽園、南は地獄というデマを流したり、文革の実情を知りながら、報道機関としての責 務を放棄したり、ソ連が衰退しているのに賛美を続けたを新聞社があったのだ。


これはマスコミが悪いのではない。現状認識が100%正しい者は存在しないし、報道とて商売だから 潔癖を貫き通すことを期待する客がバカなだけである。
 政治家でも本質的な議論は避けるくせに、対立政党の親玉がワグナーの曲を聴いているとい う事につけこんで、「あいつはヒトラーみたいな奴だ云々..」 という頓珍漢な発言をする議員が存在する国がこの日本なのだ。 反対党らしく、堂々と政策で争うべきなのに大した代案も発表 できずにイメージで批判を繰り返すのみ.. まさに、ナチスの国防軍将校への「あんた同性愛者だね?作戦」 を彷彿とさせる....(注.これもこじつけの一例である。)


仲の良いような素振りを見せる相手国に迎合したために、じっ くり考えもせずに事を先に進め後で後悔したという歴史を持ち ながらも、現在政府は戦争協力法を推し進めようとしている。 ドイツと組んだら負けた。アメリカは強いから一緒に動けば得 になるだろうとは安易としか良い様が無い。


話しが逸れたが..ここに陳列している写真は、当時の一般大衆 が見た写真ばかりである。
式典の写真や人物の会見の写真も本来はその後の実際の効果を 考えて論ずるものだが、悲しいかな多くの人はそれだけで感動 してしまったのだ。

現代の日本人でもナチスのことを悪いとわかっていても、映像 や写真で惹きつけられる人は少なくないと思われる。
まして当時の人々は友邦として紹介される独伊に悪い印象を持 つ筈は無い。そして頼もしく思っただろう。
友好国のやることは過大評価。敵性国のやることは過小評価。 これでは国際情勢を冷静に分析することなど不可能というもの だろう。


何はともあれ枢軸関連の写真をご覧頂こう。吾人は、あえて枢 軸の魅力的な写真を撰んでみたつもりである。 「表層的な事象に囚われるなかれ。」というための免疫強化の 独りキャンペーンみたいなもんである。




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